【北京・上野央絵】北京を訪問中の高村正彦外相は1日、中国の楊潔ち(ようけつち)外相と会談
した。外相の訪中は約2年8カ月ぶり。両外相はこう着状態の東シナ海ガス田共同開発問題につい
て、今月下旬に予定される福田康夫首相の訪中時までの決着を目指し事務レベルで協議を急ぐこと
を確認した。4月の安倍晋三前首相と温家宝首相の首脳会談で結論が出ず、今秋を目標に具体策
をまとめることで合意していたが、再び先送りされた格好だ。

 ガス田問題で楊外相は「高度に複雑で敏感な問題だが、共同開発に向け双方が勇気を持って取り組み、解決のために努力したい」と強調。高村外相も「早期解決に向け楊外相が指導力を発揮してほしい」と要請した。

 会談後、高村外相は記者団に「前進があったとは言えない。改めて困難な問題と感じたが、何が何でも解決しないといけないとの強い意志を互いに持った」と語った。「首相訪中までの決着」について、同行筋は「努力目標だ」と説明した。

 北朝鮮問題では、両外相は核計画の「完全な申告」など第2段階措置の重要性を確認。高村外相は「非核化と同時に日朝関係も重要」と指摘し、拉致問題と「過去の清算」問題を解決し日朝関係を進展させたい考えを強調。楊外相も強い支持を表明した。さらに両外相は、安全保障分野での信頼醸成措置の必要性で一致。今後さまざまなレベルで交流を深めていくことで合意した。

 楊外相は来年早期に胡錦濤国家主席の来春訪日準備のため、訪日する考えを表明した。

 両外相は会談後、約30年続いた対中円借款の最後の供与となる07年度分463億円の書簡交換公文と、犯罪捜査などで連絡協力する「日中刑事共助条約」に署名した。日本の刑事共助条約締結は米国、韓国に続き3カ国目。対中円借款については「08年の北京五輪までに円満終了する」と05年に両国が合意していた。

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