「1錠500円で売ります」。依存性が高い向精神薬「リタリン」の売買を
持ちかける書き込みが、インターネット上にあふれている。東京都内に住む3
0代の女性は、医療法違反の疑いで都などの立ち入り検査を受けた「東京
クリニック」(新宿区)など、複数の診療所で処方されたリタリンをネットを通
じて販売していた。女性は「簡単に処方してくれるので、生活費の足しにしよ
うと思った」と打ち明ける。

 女性は4年前、複数の医療機関を掛け持ち受診して、リタリンを集めるよう
になった。患者の間で「ドクターショッピング」と言われる。東京クリニックな
ど都内や横浜市の5カ所を回ったが「前の病院で処方されていた」と言うだ
けで、十分な診察もないまま処方されたという。

 「トイレに落としてしまった」などとうそをつき、次回の診察日より前に来院
して処方してもらう「フライング」という手口も利用した。1日に150錠近く
手に入れたこともある。毎日10~40錠服用しても、手元に大量に残った
ため、インターネットでの売買を思いついたという。

 薬物売買の掲示板で購入を呼びかけると、10分もたたないうちに希望者
がアクセスしてきた。1錠500円で販売。多いときには、約30人の「顧
客」を持ち、売り上げも月20万円近くになった。自ら立ち上げたホームペー
ジに「相談コーナー」を設け、体のだるさなどを訴える人にリタリンを勧めた。

 資格のない人が向精神薬を販売すると麻薬取締法違反にあたる。

 医療関係者によると、クリニックなどが処方したリタリンをインターネットで1
錠400~700円で販売し、多額の利益を上げる人が増えてきたという。
女性は「東京クリニックは、簡単に手に入るので重宝していた」と明かす。

 しかし、女性はリタリンの依存症がひどくなり、高熱などの副作用が出るよ
うになった。「体に合わない」と感じ、2週間かけて何とか服用をやめること
ができた。もちろん販売もやめた。女性は「リタリンの副作用は本当に苦しい
。他人に勧めてしまい、今は後悔している」と話している。【精神医療取材班】

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