決めるという－水滴幼幼園

大相撲の時津風部屋で６月に序ノ口力士、斉藤俊（たかし）さん（当時１７歳
）＝時太山（ときたいざん）＝が急死した問題で、日本相撲協会は５日、緊急
理事会を開き、師匠の時津風親方（５７）＝元小結・双津竜、本名・山本順一
さん＝を解雇処分にした。協会寄付行為の施行細則に基づく処分。解雇の適用
は９７年１月の山響親方＝元小結・前乃臻（まえのしん）＝以来２人目。部
屋を預かる師匠では初のケース。

　暴行に関与したとされる時津風部屋の複数の兄弟子については捜査中であるこ
とを考慮し、司法判断が出た段階で処分を決めるという。また、協会幹部は自主
的に減俸処分を決めた。北の湖理事長は減俸５０％（４カ月）、理事らは減俸
３０％（３カ月）。

　時津風親方は愛知県警の調べや遺族に対し、斉藤さんの額をビール瓶で殴っ
たことを認めている。協会が１日に行った事情聴取にも殴った事実を認めたが、
兄弟子に暴行を指示したことなどは否定している。また、時津風親方は３日、
「報道にあるような行き過ぎた暴行はない」と釈明する上申書を協会各理事に
配布し、理事会で弁明できる機会を求めていた。

　これに対し、北の湖理事長は「尊い命が失われたことは重くみないといけな
い。上申書が出てきても厳しい処分は変わらない」と厳罰で臨む態度を示して
いた。

　時津風部屋は現役時代に歴代１位の６９連勝を達成した大横綱・双葉山が、
戦前に興した。現親方は協会理事長も務めた先代（元大関・豊山）から、０２
年に部屋を継承。秋場所番付で現在は弟子１５人。幕内には秋場所で殊勲賞
を受賞した豊ノ島、時天空、時津海と十両の霜鳳（しもおおとり）がいる